「レゴで、灘校つくろうや。」
〜灘校本館ができるまで〜

事の発端は、2007年度の土曜講座。

かの有名なミトゥイー氏が灘校にいらっしゃって、授業を展開された。 当然レゴ好きが集まるはず……だったのだが、希望者多数のため、 一部の生徒は授業を受けられなかった。 しかし、授業終了後に他の部屋からもレゴ好きが集まってきて ミトゥイー氏と会話が交わされ、楽しい時を過ごした。

そして1週間後。そのうちの1人、後の「部長(笑)」が会話のメンバーを 召集した。そして発した言葉が「レゴで、灘校つくらへん?ミトゥイーさんみたいに」だった。 「ホントにできるんか?」との意見もあったが、全員が合意。 週1回の部会が始まることになった。

まず校舎の測量から始める。体育倉庫からメジャーを借りて、周りをぐるりと回って寸法を決定。窓など諸構造の大きさも計算し、綿密に決めていく。
大体の大きさや縦横比、1ポッチを何メートルくらいにするのが現実的か決めた後、校舎の顔とも言える窓から構造を検討することに。

幅6スタッドの五角形の窓……最初はスロープパーツを外につける、というごく普通な発想が出たりしたが、それでは比率が合わなさ過ぎる。
ああでもないこうでもないと数日間散々悩んだあげく、ブッダが画期的な窓の試作品を作る。

比率もぴったりで、綺麗に五角形ができているブッダの案は当然採用された。



ブッダ「なあこれ 美しくね?
よくやった俺!!」



ちゃんと左右の辺が平行にならない構造をしている。
パーツの隙間の遊びを利用したなかなか面白い仕組みである。

また、1階の壁には細かい凹凸があって、これまた我々を非常に困らせてくれたのだが、ここの構造はHIwaiがひらめいた。

左の画像のような構造を 大量に並べているという構造。右側の
画像の下に見えるのがそれ。
なかなか感じ出てるんじゃない?

若干本物と比率は違うのだが、 本物と比率まで合わせるとなると ブロックを削らないといけないので これが最良案なのである。

ここからはそう目立った問題もなく設計図 (といっても測量したときの大まかな形だけだが) 通りに、ブロックをたくさん広げたベースプレートの上に敷き詰めていき、組み立てていく作業が始まった。

まずは1段だけ並べてみて、可能なサイズになるか調べる。校舎の色はタン色なので、当時販売されていた別荘セットを購入している連中がそれを持ってきて、全体でどのくらいの量になるのか概算で出して、パーツの量と値段、ひいては予算を計算した。

皆で作っている様子。
このときの皆の集中力は凄いものがあった。
が、いかんせんハイテンションになっている
所もあって、
こんな妙なものができてしまった。
ブッダが未使用パーツをまとめているときに何かが取り付いたのか作り上げてしまった建造物である。
サンピエトロ大聖堂と命名。
その上彼は恒例の
美しくね? も放った。
同じように、またもやブッダが未使用パーツをいじっていて作ったもの。
最初は長く繋げていただけだったのだが、なんとなく曲げているとあら不思議。
これがDNAの原型である。
当然ブッダは
美しくね? を連発した。

そしてどんどん組みあがっていく灘校本館。2日前にはほとんど組みあがり、運ぶときに「あ、本館や」 「すげー」などの声が聞こえて鼻を高くしていたのだが、いざ屋上を張るとなったときに問題が浮上した。
なんと屋上の構造を誰も詳しく知らないことが判明したのだ。 隣の校舎からでは、上に何かあるのはわかるものの、その「何か」の構造がよく見えない。

若干困ったが、
まあ俺達のなかで誰も知らないなら気にする人いないんじゃね? っていう理由で適当に天井を張ることに。色は一応はずしてないはずなのだが…


そして紆余曲折を経てついに本館が完成!

これこそが2008年文化祭展示目玉作品の本館である!

横に並んでる兵隊たちは何の意味もございません。フィグの大きさと比べるため?

なかなかうまくできたと思うよ。


別アングルから。

いずれ本物の同じようなアングルからの写真を載せたいと思っている最中だぜ。

校舎を上から撮るなんて芸当ができる鳥人間は流石にいないけどね。


ちなみに。

実は校舎の中も廊下の入り口から覗ける部分は作ってあるのだ。
さすがに中身を全部作るのは予算的にも強度的にも問題があったので断念。



いつか全部作れると良いな……無理か。




と、言うわけで灘校本館は無事出来上がり、LEGOサークルは予想以上の好評を博し、サークル員は翌年また展示することを決めたのであった。

                                        続く。