「レゴで、灘校つくろうや。」
〜灘校旧校舎ができるまで〜
2008年5月。LEGOサークルは予想以上の好評で、部員の忙しくも楽しい日々は過ぎていった。
それから約半年。再びLEGOサークルに召集がかかる。
用件は「また皆で文化祭展示をやろう」というものだった。
当然全員が賛成、新しく数人のメンバーも加わって、またLEGOサークルの挑戦が始まった。
※それっぽくしようとしましたが早くも限界です。というか内容上無理があります。いつもの調子に戻します。
1年前と同じく、校舎の測量から始める。今回は本館のデータがあるにもかかわらず、同じ幅の窓やドアが無かったので、目測でテキトーに決めることに。まあ、同じ中庭で両方を見渡せるから大きさを決めるのはそんなには難しくなかった。
しかし、一度成功しているという経験はいいものなのか悪いのか、
全員が昨年のようには働かず、年が明けても何もしないまま時間が過ぎていった。
そのままではやばいと思った にーな が土曜日に全員を集めたが、
皆やはりというか「何とかなるやろ〜」という状態でゲームしたり駄弁っているだけだったため、
にーな は集めたのが自分という不必要な責任感に動かされ、ただ一人校舎の測量に出かけた。
そして半時間ほどして教室に戻ると、改心した皆が仕事をしつつ迎えて……くれるわけも無く、
ゲームで対戦しているのが2人、それを観戦しているのが2人、
黒板に落書きしているのが2人、といった具合だった。
その上帰ってきた にーな に対して対戦中だったHIwaiが一言、
「どこ行ってたん?」
……おいこら怒るぞ。俺がどんな思いで設計してたと思ってるんだ。
にーな「あほか。設計行ってたに決まってるやろ」
ブッダ「おお!偉い!」
黙れ。そして働け。なにを描いてるんだお前は。
検討するためにも俺は今から図を描かんといかんのに。
※皆そんなにまで仕事してないわけじゃないよ。読んでいったらわかるけど。
そんなこんなで校舎の四面の大体の図が書きあがった。
縦方向の目測は微妙だったので検討の結果ブッダが若干補正した。
普段あまり見ることのない校舎の横の部分も明らかに。
にーながとってきたノートはブッダが補正を加えつつ方眼紙に清書し、
HIwaiが材料を注文して、ようやく組み立てに入ることができるようになった。
ここまで来たら後は早い。今までの倦怠感はどこへやら、凄いスピードで旧校舎が出来上がっていく。
そのあまりの速さに、パーツの提供が間に合わずHIwaiが店に早くしてくれとメールを送り付けそうになるという一幕も。
さすがにロッカーに入りきらないのでこんなところに置くことに。
壊されないように、何故かあった某キャラクターをHIwaiが見つけ、さわるなと書き込んで張っておいた。
それが効果があったのか、それともLEGOサークル員が大抵いつでも1人は廊下で喋っていたのが良かったのか、
壊されることもなく文化祭準備期間(残り3日)を迎えることができた。
しかし文化祭準備期間も授業が無いだけでいつも通り6時には下校しなければならないうえ、
この頃はまだ準備など半分も完了していなかった。
やばい。
しかし組み立てだけしているわけにもいかない。部誌の製本作業もある。
それに模造紙展示も書いておかないといけない。
看板も作らないといけない。
できればビラも張っときたい。
しかし、無情にも人手は少なくなるのだ。
HIwaiはクラシック研究会のコンサートのリハーサルに行かないといけない。
ブッダは地学研究部のプラネタリウム組み立てと看板を作らないといけない。
にーなは柔道部の金魚すくいを高2まかせにした。
いやいや、金魚すくいの用意なんて高2だけでできるでしょ?
看板を描いている様子。
ブッダに鉛筆で1枚だけ下書きしてもらい、ブッダはそのまま地学研究部へ。
残った面子で色を塗り、もう一枚作ってダンボールに貼り付ける。
なかなか良くできた。
ブッダに言わせると
美しくね?
といった所だろう。
実際帰ってきたブッダは言ったし。
しかしどう考えてもブッダが模造紙を描く暇はない。
だがパネル展示がないのはあまりにも寂しい。
ということでブッダが寝る間を惜しんで作ってくれたパネル展示。
にーなの実名が出そうだったので消しておいたぜ。見えないとは思うけど。
そして2日前には結構完成。
なに、ちょっと本気を出せばこんなもんよ。
だが天井を張るときにちょっとした問題が。本館のときもそうだったが、真ん中の部分の強度が全くもって、無いのだ。
青いのはそのための柱である。
しかしそんなことよりもっとやばい事態が起きていたのだ。
クリアパーツが足りないのである。
これは本当にやばい。
普段注文しているサイトは在庫切れ状態。他のばら売りサイトを探してみたが、在庫20個のところを1つ発見しただけ。
そんな程度では足りないのだ。
このとき我々が必要としていた量は250個というまさに桁違いの量。
そんなに大量にクリアの1×2を所持している人物など、わがサークルにはいない。
ゆっくりしていたツケがこんなところで回ってきたのだ。
HIwaiはギリギリまでパーツを注文しようとしていたが、どうしても間に合わない。
このことで全員が一日悩む。
そしてにーなが、
窓全開
ってことにすりゃいいんじゃね?
っという
まったく解決になっていない
言い訳を考えついたため、皆、それで肩の荷を降ろしてしまうことに決定した。
そして文化祭の日は来た!!
結構人が来ていた。
こんなときくらいしか灘の中では見られない女性もいる。
しかし時たまそれは女装した灘校生であることがあるため、注意が必要である。
そして目玉展示の旧校舎。やはり窓は
全開
である。
翌年こそは、窓を埋めて廊下を作った状態で展示してやるぜ。覚悟しな!
というわけで灘校旧校舎は無事(?)出来上がった。
LEGOサークルは昨年以上の好評を博し、
サークル員は翌年また展示することを決めたのであった。
続く。
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